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寺西 望, 木村 竜也, 伊藤 大輔
2022 年 2022 巻 2 号 p.
1-6
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
2022年度から高等学校で全面実施となった学習指導要領では探究的な学びが求められている.Project-based Learning(PBL)は,解決する問題を決め,解決のための方法を考え,その方法を遂行し,その成果を批判的に検討して,次の問題解決の活動につなげるという過程の学習方法であり,この過程は新学習指導要領で求められている探究と対応したものと捉えることができる.本発表では,探究に適した方法であるPBLに基づいて,高等学校で行われた「総合的な探究の時間」の理論的背景と実践の概要を報告する.
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大原 央之, 藤村 裕一
2022 年 2022 巻 2 号 p.
7-14
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
へき地小規模中学校における若手教員の専門教科の授業力量形成は,一人教科であることが多く困難である.その改善方策を明らかにするため,専門教科の授業力量形成に向けた取組の実態や校内外における支援について,面接調査を行った.その結果,校内に限定せず,遠隔システムを活用し,学校を超えたサイバー空間上でリアルな人間関係を築き,協働による授業改善を行うことで,専門教科の授業力量形成につながる可能性が示唆された.
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臼井 昭子, 登本 洋子, 長瀬 達也
2022 年 2022 巻 2 号 p.
15-18
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
県立高等学校の1人1台端末の整備が完了しているZ県において,美術科教員を対象に端末の活用や課題に関する調査をおこなった.その結果,(1)Z県では学校の枠を超え美術科教員同士の情報共有ツールとしてGoogle Classroomを活用していた,(2)普通教室に比べ美術教室のWi-Fi環境は整っていない傾向がみられた,(3)教員個人で専門的なICT機器やソフトを準備するなど1人1台端末以外のデジタルツールで授業の充実を図る教員がいたことなどが確認された.
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古越 佳子, 藤村 裕一
2022 年 2022 巻 2 号 p.
19-26
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校の在籍学級における非日本語母語話者児童に対する日本語指導の実態と効果的な指導法を明らかにするため,それを経験した教員と児童を対象に半構造化面接を行った.その結果,いくつかの効果的な指導法が明らかになるとともに,学級担任をはじめ,日本語指導が必要な児童に関わる教職員がどのような支援ができるかという意識をもち,児童理解を深めつつ自尊感情を高めるような個別最適な支援を行うことの必要性が示唆された.
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遠藤 みなみ, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2022 年 2022 巻 2 号 p.
27-31
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,クラウド上のスプレッドシートを利用して振り返りを入力する実践の初期段階における児童の意識調査を行った.その結果,児童は,スプレッドシートでの振り返りの効果については【今後の学習に役立つ】,【タイピングが速くなる】と回答した.効率については【修正がしやすい】,【速く書くことができる】と回答した.一方で,負担については【ファイルを開く手間】,【タイピングが大変】と回答した.不満については,【ネットの接続に時間がかかる】と回答した.
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森田 淳子, 向後 千春
2022 年 2022 巻 2 号 p.
32-39
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
学士課程のオンデマンド授業に関して,先行研究の2種類の対話型ビデオを発展した形式での収録(講師,聞き手のTAと受講生の参加)を試みた.講師単独のビデオと比較しどちらが好まれるかについてアンケート調査を実施したところ(N=168,回収率70%),「講師単独によるビデオ」が5%に対して,「受講生とTAを交えたビデオ(今回の形式)」を好む回答が86%であった.また,講師がレクチャーで画面共有する資料について,スライドとマップのどちらかを好むかについての回答は「スライドの提示」が19%対して,「マップの提示(今回の形式)」が64%であった.
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神部 順子, 玉田 和恵, 松田 稔樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
40-43
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
ICT問題解決力を育成するデータサイエンス教育のカリキュラム開発に活用することを目的とし,文部科学省による「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」として展開している科目内容について,大学生はどのような内容について関心を寄せ,自分が修得した知識をどう整理しているかについて調査する.その結果を,地域社会で活躍する人材になるために修得するべき能力目標とどう関連付けていくかについて考察する.
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向後 千春
2022 年 2022 巻 2 号 p.
44-51
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
何を学ぶにしても人はひとりでは学ぶことはできない.独学で本から学ぶという場合であっても,文化的所産である書物に頼っている.人の学習を下支えするものとして,Ryan & Deci(2017)は基本的心理欲求理論の中で,関係性,有能,自律を挙げた.この中で重要な働きをしているのが感情制御である.感情制御のトレーニング手法は徐々に試行されつつある.本稿ではアドラー心理学に基づいた感情の捉え方をすることによって感情制御の新しいコースを設計し,その概要を示す.また,既存の授業や研修を感情制御のトレーニングとしてみたときにどのように改善できるかについての示唆をする.
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梶本 秀樹, 藤村 裕一
2022 年 2022 巻 2 号 p.
52-59
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
高校生の不適応行動の要因は複雑で,生徒指導は困難である.非認知能力育成が不適応行動改善に有効であることは明らかになっているが,高校生の非認知能力の具体的育成方法に関する研究は不十分である.一例として,素手によるトイレ清掃が有効であるとの実践報告は多くあるが,その科学的根拠は明らかになっていない.そこで,質問紙調査及び面接調査により,不適応行動を改善する要因・非認知能力との関係性について分析・考察した.
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大久保 紀一朗, 板垣 翔大, 佐藤 和紀, 中川 哲, 山本 朋弘, 堀田 龍也
2022 年 2022 巻 2 号 p.
60-67
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,小学校第6学年を対象にAIの画像認識について理解する学習を開発し,児童のAIに対する理解や意識の変容から授業を評価した.授業は4単位時間で実施し,画像認識の仕組みについてAIについて体験的に理解する学習と,身近な問題解決にAIの活用を体験する学習を実施した.事前調査とAIについて体験的に理解する学習後の事後調査1,身近な問題解決にAIの活用を体験する学習後の事後調査2の結果の比較から,開発した学習プログラムの効果を検討した.
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中村 瑠香, 工藤 綾乃, 南條 優, 若月 陸央, 萩原 ほのみ, 森下 孟, 佐藤 和紀
2022 年 2022 巻 2 号 p.
68-75
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,GIGAスクール構想下における,1人1台の情報端末のICTを活用した授業実践を把握し,小学校の授業実践に関するDXの現段階を検討することを目的として,2021年1月から2021年11月までに出版された「GIGAスクール構想」「1人1台端末」に関する書籍21冊に掲載された小学校の1人1台端末を活用した授業実践を,SAMRモデルを用いて分類した.その結果,①中学年になるとM・R(変換)の授業実践が増加すること,②教科全体ではS・A(強化)の授業実践が多いが,総合的な学習の時間ではM・R(変換)の実践が多いことが確認できた.
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今野 貴之, 浅子 秀樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
76-83
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,1)児童生徒の学校端末と私物端末の利用状況を調査する,2)学校端末と私物端末のそれぞれの利用状況の相関をはかるとともに,学校で行われている情報モラル教育がどのように関係しているのかを検討することであった.情報教育を先進的に取り組んできた公立A小学校1校と公立B中学校1校を研究協力校とし,小学4年生以上を対象とした質問紙調査を実施した.分析の結果,学校端末の利用時間,私物端末の利用時間,私物端末の保有時期・所有率などの利用状況や,小学生と中学生の学校端末と私物端末,及び,それらと情報モラル教育の関連が示された.それらから,小学生に対する情報モラル教育の内容として端末利用の規範意識の醸成が特に重要であること,中学生の学校端末と私物端末の利用の差は私物端末の利用割合に影響されていることの2つが考察された.
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草本 明子, 高橋 純
2022 年 2022 巻 2 号 p.
84-89
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,自己決定理論に基づき,日常的に1人1台の情報端末(以下,PC)を活用している生徒を対象とし,中学校物理の個別実験において,PCを活用した協働学習前後の自律性の欲求・有能性の欲求・関係性の欲求の変化を明らかにし,個別実験におけるPCを活用した協働学習が内発的動機づけに与える影響を検討した.結果,自律性の欲求・有能性の欲求が向上し,「PCを活用した学習活動への内発的動機づけ」「物理授業への内発的動機づけ」「物理学習全般への内発的動機づけ」全てが高まる傾向が見られた.難易度の高い課題に取り組む際,クラウド環境におけるデータ共有によるPCを活用した協働学習が有用であることが示唆された.
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中村 佐里, 三尾 忠男, 波多野 和彦
2022 年 2022 巻 2 号 p.
90-95
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
プログラミングの難しさと学生の不安要因との間には関連があり,プログラミング教育やプログラミングの技術などの理解が進むことにより,さらなる難しさを見出し,その比重が大きくなることが示唆された.そこで,学生の自由記述などを分析し,不安要因を軽減するための試案を検討した.
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齊藤 陽花, 金松 萌々花, 南條 優, 下﨑 高, 小泉 遥香, 佐藤 和紀, 森下 孟
2022 年 2022 巻 2 号 p.
96-101
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,X大学の教員養成学部1年生を対象に,高校時のオンライン授業の経験の有無が,ICT活用指導力にどのような影響を及ぼすのか検討することを目的として,それらに関するアンケートを実施した.その結果,①オンライン授業の経験をしていた学生の割合は,高校2年次が最も高く,次いで高校3年次,また,高校1年次はオンライン授業の経験はほとんどなく,②オンライン授業の経験により,オンライン授業に対する肯定的な意見や情報モラル指導に関する意識を持つことができると示唆された.
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-幼保系人材養成の視点から-
波多野 和彦, 中村 佐里, 三尾 忠男
2022 年 2022 巻 2 号 p.
102-105
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
従来の「教育方法及び技術」に対し,教育におけるICT活用にかかわる内容に焦点化した科目の新設もしくは,比重を置く形での修正が要請された.小学校に繋げる幼保人材の養成課程の履修者に,どのような内容を扱うと良いかを問い,学校の教員養成課程の履修者との違いなどについて,検討した.
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加藤 英樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
106-113
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
学校にパソコンが導入されて30年経過している.しかし教員採用試験の面接の場における教員志望者や,学校管理職の立場で見た教員のICTのスキルは,満足できる状況ではない.2021年4月から公立中学校で1人1台のパソコンが使用できるようになった.新型コロナ禍でのオンライン授業や意見交換などでの使用が始まっている.これからの現役教員と教員志望者に,教員養成や教員研修を通して身に付けたいICT機器の活用と,授業及び校務におけるスキルや意識について,具体的な事例を挙げながら報告する.
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井村 明子, 藤村 裕一
2022 年 2022 巻 2 号 p.
114-121
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
中学校において多様化する教育課題を解決するためには,内発的改善力のある学校組織であることの重要性が指摘されている.その形成の在り方を明らかにするために,教職員対象の質問紙調査と実証実験としての職員研修を実施した.その結果,内発的動機づけと教職員の自律性,協働性,目的意識の共有の3要素の間に,有意な相関が認められた.また,内発的動機づけのためには,上記の3要素に順序性が存在していることが示唆された.
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-教員養成大学の教職員に対する専門性開発ニーズ調査の再分析-
荒巻 恵子, 岸 学
2022 年 2022 巻 2 号 p.
122-129
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,「教員養成ならではの」大学教職員の専門性開発(Professional Development),研修活動に取組んできたHATOプロジェクトが,2019(令和元)年度実施した国立公私立大学の教員養成大学に携わる教職員を対象にした専門性開発に関する調査データについて,項目反応理論を用いた尺度分析から,教職員の専門性開発へのニーズの再分析を行った.その結果,教員・職員間の専門性開発へのニーズの違いについて,その必要度と多様さが明らかになった.
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井澤 美砂, 大行 莉乃, 堀内 蓮太郎, 神生 凌我, 佐藤 和紀, 森下 孟
2022 年 2022 巻 2 号 p.
130-135
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,教員養成学部生の情報モラル指導力育成に対する有効性とICT活用指導力への影響を明らかにすることを目的とした.学校現場で児童生徒に指導を行っている外部講師による講義後,受講生を対象に情報モラルの意識及びICT活用指導力に関するアンケート調査を実施した.その結果,本講義を通じて情報モラル教育について学ぶ良い契機となったことが窺えたが,実践的なICT活用指導力の向上にはつながらなかった.
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宮内 健, 向後 千春
2022 年 2022 巻 2 号 p.
136-143
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
児童の「きく」力と教科の学力との関連について検討した.首都圏公立A小学校第4学年児童125人を対象とした.児童の「きく」力の指標を「話す・聞く」テストと児童の「きく」力尺度(質問紙)の聴解基礎力の2つとした.どちらの指標においても児童の「きく」力は教科の学力と正の有意な相関があることが示された.
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笠原 秀浩, 高橋 純
2022 年 2022 巻 2 号 p.
144-147
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
校内の全教員が自らの得意分野を対象とする講師となって研修動画を作成しクラウドに保存,その研修動画を各教員が適宜視聴し感想を書き込む,クラウドを活用した校内研修「クラウド型校内研修」の実践を行った.結果,これまでの校内研修における時間,空間,指導者,研修内容の課題が解決され,各教員がもつ長所が活かされる研修を実施することができた.
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渡邉 光浩, 三井 一希, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2022 年 2022 巻 2 号 p.
148-155
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,GIGAスクール構想で1人1台情報端末環境の整備が進んだ2021年度末に,Google Workspace for Educationを活用している小学校第3学年から第6学年の児童を対象に,情報端末やアプリ等を操作するスキルの習得に関する意識を調査した.電源のオン・オフや各種設定などの基本的な操作やワープロ,プレゼンテーション,授業支援,ビデオ会議などの学習場面に必要な最低限の操作は,学年によらず,できると回答した割合が高かったが,タッチタイピングやショートカットの利用など学年が上がる方ができると回答した割合が高い操作や,各種アプリでの共有・共同編集のようにできると回答した割合に必ずしも学年が関係ない操作,表計算やメール,チャットのように学年によらずできると回答した割合が低い操作もあった.
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-小中高等学校の学習指導要領を対象として-
勝田 浩次, 寺嶋 浩介, 斉田 俊平, 菊地 寛, 平田 篤史, 中川 一史
2022 年 2022 巻 2 号 p.
156-161
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
2017・2018年に告示され,順次施行されている新しい学習指導要領では,思考力,判断力,表現力がひとつの柱として大きく取り上げられている.一方でそれらの資質・能力のような,テストでは測りにくい学力に関して,どの程度身についたかを見とる方法は確立されているとは言い難い.そこで本研究では,小学校から高校までの学習指導要領を読み解き,思考力,判断力,表現力に関して生徒が自己評価できる項目を作成した.本研究では,その作成手順及び校種ごとの特徴についての考察を行う.
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村上 唯斗, 登本 洋子, 高橋 純
2022 年 2022 巻 2 号 p.
162-168
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,クラウドを基盤とした協働学習(CBCL)に関する実践研究をレビューし,クラウドツールの活用法及び今後の実践課題を検討することを目的とした.文献検索の結果,132編の論文が抽出され,除外基準に基づくスクリーニングの結果,19編の論文がレビューされた.結果,1)15編の論文が大学生・大学院生を対象としており,初等中等教育での実践が今後の課題であることが示唆された.2)16編の論文がGoogle/Microsoftの提供するソフトウェアを活用しており,CBCLはGIGAスクール構想における標準仕様の環境で実現可能であることが示唆された.3)理論的枠組みをレビューすると,社会構造主義の立場に立ち,学習集団との相互作用の中で獲得されるコンピテンシーの育成を目的としている特徴があった.
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手塚 和佳奈, 井澤 美砂, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2022 年 2022 巻 2 号 p.
169-176
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,各教科等において想定されるメディア・リテラシーを検討することを目的とした.平成29年告示小学校学習指導要領における教科等の目標及び内容に関する記述から,メディア・リテラシーに関連すると考えられる記述を抽出し,メディア・リテラシーの構成要素(中橋 2014)に対応づけて分析した.その結果,全ての教科等でメディア・リテラシーの構成要素と対応づけることができ,教科等により関連づけた構成要素の種類やその内訳の特徴が異なることが示された.
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-ビデオのオンオフに着目して-
小林 輝美, 赤堀 侃司
2022 年 2022 巻 2 号 p.
177-182
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
ビデオ会議システムを使用して英語でスピーチを行う際,ビデオのオンオフによって話し手と聞き手がそれぞれどこに注目しているかを検証した.話し手と聞き手のビデオが両方オンの場合,両者が2つのビデオに同程度注目し,話し手か聞き手のいずれかのビデオがオンになっている場合,聞き手はビデオがオンになっている人に注目し,話し手と聞き手の両方のビデオがオフの場合,聞き手は話し手に注目していたことが明らかとなった.
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藤原 伸彦, 玉水 克明, 居上 公美子, 河野 通之
2022 年 2022 巻 2 号 p.
183-189
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
筆者らはこれまで,インフォーマル教育の場として小中学生を対象とした「子供集団歩き遍路活動」を実施してきた.その活動の持つ特徴が,ボランティアとして参加した若手教員の子供観・教育観の形成に影響しているかについて,その若手教員と参加者との対話や活動後のインタビューを基に考察した.この活動に特有な時間体験や共有されている価値観が,若手教員の子供観・教育観の形成に影響し,活動中の対話や教員として児童と行う対話のあり方に影響していることが示唆された.
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〜トラブルを回避し,積極的に活用する態度を育成するために〜
玉田 和恵, 松田 稔樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
190-195
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の問いは,「現状の子ども達は無鉄砲にICTを使うか,与えられた使い方で満足するかの両極端であるが,問題解決に焦点を当てることで,トラブルを回避する慎重な姿勢と,ICTを幅広く活用する積極的な姿勢とをバランスよく身につけた子ども達が育成できるのではないか」というものである.そこで,本稿では大学生を対象に情報モラル問題解決力を育成するための指導を実践し,これまで初等中等教育で受講してきた情報モラル教育の課題を検討する.また,問題解決に焦点を当てることで,トラブルを回避する慎重な姿勢と,ICTを幅広く活用する積極的な姿勢が涵養できるかを考察する.
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久米 晶子, 須藤 絢, バゲンダ ドミニク, 藤野 雄一
2022 年 2022 巻 2 号 p.
196-199
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
アフリカ諸国の子どもたちは,基本的な計算能力の低さと数直線の理解,日常の事象と数を結びつけることが困難という課題がある.本研究では,ARを用いたアフリカの子どもたちの数直線理解支援を目的とし,iPad上で動作するARアプリの開発,並びにアフリカで小学校に通う子どもを対象に自己学習を含む動作体験実験,ARを用いた体験型学習に関する主観評価実験を行った.その結果,アフリカの子どもたちは学習時にARアプリを扱うことに抵抗がないことがわかった.本報告ではアプリの機能仕様と実験模様,結果について報告する.
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-個人情報の利活用に関する課題と新しい発想-
近藤 千香, 玉田 和恵, 松田 稔樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
200-203
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
「総合的な探究の時間」では,探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,問題解決に適用できる資質・能力を育成することを目指しており,本研究では,その準備学習を各教科で行うという「(新)逆向き設計」手法に基づいて,社会の適切な発展のために個人情報はどのように扱われるべきかということをネットでの検索履歴・閲覧履歴を含む個人情報を題材に考えさせ,さらにAIによる社会情報システムとの関係を考慮して新しい価値を発想させる実践を報告し,今後の展開を検討する.
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松田 稔樹
2022 年 2022 巻 2 号 p.
204-211
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
1990年代の大綱化で,大学教育における教養教育と専門教育の比重に変化が生じた.近年では,資格取得に直結したカリキュラムを強調する例もある.その一方で,中教審大学教育部会などが教養教育の重要性を強調し,欧米のリベラルアーツ教育を範にしたカリキュラムを提供する大学もある.これらの動向をふまえつつ,本稿では,一般(教養)教育と専門教育とを峻別しつつ,それらをどう連携させるべきか,筆者が初等中等教育の教育課程編成のために提案した「新・逆向き設計」の考え方を援用して,より良い大学教育カリキュラムを設計する視点について考察する.
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近藤 敏允
2022 年 2022 巻 2 号 p.
212-217
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,先行研究で見られた日本人とアメリカ人の時間不安尺度得点の差が生まれた原因を検討するため,日本の大学1年生と先行研究のデータを比較した.その結果,時間不安単体では年齢による差は無かったが,時間不安に評価不安が与える影響は大学生の学年間で差が見られた.よって,先行研究の『時間不安の差は国民性である』という考察は検討の余地があり,異なる要素による差についても分析を重ねる必要がある.
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阿部 真由美, 森田 裕介
2022 年 2022 巻 2 号 p.
218-223
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
大学でブレンド型授業デザインをテーマとしたFDセミナーを実施し,その事前アンケートにおいて教員のブレンド型授業に関する経験と知識を尋ねた.本発表では,それらの項目の量的分析にもとづき,大学教員がブレンド型授業をデザインする際に必要な知識の構造について検討し,さらにブレンド型授業に関する経験等との関連について考察する.
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-階層的クラスタによる特徴の抽出-
金 賢眞, 大山 牧子, 田尾 俊輔, 根岸 千悠
2022 年 2022 巻 2 号 p.
224-231
発行日: 2022/06/27
公開日: 2022/06/27
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的はプレFDで実施している「教育の抱負」課題の記述内容の特徴を明らかにすることである.具体的には大学院生が作成した「教育の抱負」についてその傾向を計量的に分析すると共に,学習者特性(学問分野)に着目して記述内容の特徴を分析した.その結果,全体の傾向を8つのクラスターに分類できた.また,その中の3つの項目においては,分野別による特徴が見られた.
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