2023 年 2023 巻 1 号 p. 254-260
本研究の目的は,学際系学部学生が,いかに大学4年間の授業や研究等における学びを統合し,研究観を変容させたかのプロセスを検討することである.大学生4年生6名を対象に半構造化インタビューを実施し,TEAによる分析を行った.その結果,本研究協力者は,大学入学後,授業履修により興味を明確化し,ゼミを志望する中で教員の研究観等への共感により一つのゼミを選択していた.また,ゼミで研究を進める過程でゼミ内外でロールモデルを発見しながら,研究の成果物を元に教員や先輩等からのフィードバックを統合し卒業研究を書き終えていた.その後,卒業研究以後の研究において研究の自分ごと化を踏まえた次の研究を志向することが示唆された.