2023 年 2023 巻 2 号 p. 301-306
第2言語習得に取り組む学生のカリキュラムとして第2言語で対話をしつつ定められたタスクをこなすものがある.この際に学生の習熟度の差によって会話が途切れるなど滑らかな会話にならなかったり対話の際に意味がとり切れず理解の食い違いや誤解が生じる場合がある.その際にネイティブスピーカであればどのように会話していたかという想定の事例を示すことは学習者のスキル向上に有効であると期待できる.しかしネイティブスピーカに容易に協力が得られない場合も容易に想定できる.本論文では深層学習による大規模言語モデルをネイティブスピーカの言語能力を表すものと仮定して,それを利用することで既存の対話情報中の単語を補完・推測させて,その結果を確認して,ネイティブスピーカの会話を推定できるかどうかその可能性を検証する.