2023 年 2023 巻 4 号 p. 74-77
近年全く読書をしない児童生徒が増加傾向にあり,国語力の育成という観点から見過ごすことができない問題とされている.そこで本研究では,読書をしない要因は「選書」なのではないかという仮説を立て,読書嫌いを減少させるための手掛かりを得ることを目的とした.教員養成学部生を対象としたアンケート調査の結果,読書をしない理由として「文章を読むことが苦手」「興味のあるもの以外を読むことが苦手」ということが挙げられた.このことから,①読む時間を取りたくない,②興味のあるジャンル以外は内容がわからないために本を読むことが苦手であると推察できた.一方で,仮説としていた「選書」の段階まで至らず,活字に苦手意識を持っており,読書に気が進まない可能性がうかがえた.