2024 年 2024 巻 2 号 p. 129-132
多様性と包摂性(D&I; Diversity and Inclusion)の重要性が広く述べられている現代において,ニューロダイバーシティを含む様々な異なる他者との協働に向けた教育が必要である.本研究ではこの課題をバーチャル空間における協調・協働学習によって解決するための設計を試みる.特に発達障害の特性を異なる文化として受容し,自身と他者の理解を深めることで多文化共生に繋がる学びをデザインする可能性について,メタバースなどの仮想環境の利点を踏まえて議論する.目に見えづらい特性として現れる発達障害に関しては,同じく捉えがたい文化の隔たりを乗り越えることを目指してきた異文化コミュニケーショントレーニングの実践研究が役立つ可能性があり,失敗を恐れずに他者と関わる練習が可能である仮想環境への応用が見込まれるが,多様な特性に応じるための配慮が不可欠である.