2024 年 2024 巻 2 号 p. 157-162
近年,教員志望の学生の割合が減少傾向にある.そこで本研究では,教員養成学部生が教員の労働環境のどのような点について問題意識を持っているのか,また教員の労働環境に関する問題が教育実習を終えた教員養成学部生の進路希望にどのような影響を与えているのかについて明らかにした.アンケート調査を行った結果,調査対象とした教員養成学部生の多くが,教育実習後も継続して教員を目指し続けており,そのような学生にとって労働環境の問題はキャリア選択の要因にはならなかった.一方で,教員志望をやめた学生だけではなく,教員志望の学生も労働環境への問題意識を抱えており,学生らが教職の実態を知り,キャリア選択に活かせるようにしていくことが大切であると示唆された.