2024 年 2024 巻 3 号 p. 74-78
知的障害特別支援学校中学部において,AIロボットを学級に設置することで子どもたちのコミュニケーションにどのような効果があるのかを検討した.ロボットを導入した際には,興味深くロボットを眺めたり,教師からのロボットの説明やクイズに対して応答したりする生徒の姿が見られた.ロボットと関わり合う際は,撫でることしかできなかった生徒が友達に促されることで抱っこしたり,自発的に友達と関わることが少ない生徒が友達にジェスチャーを行うことでロボットを受け取ったりする様子が見られるようになった.学級にロボットを設置することは,知的障害児のコミュニケーションのきっかけとなり,コミュニケーション支援に寄与することが考えられる.