2024 年 2024 巻 3 号 p. 212-219
本研究は,科目単位で「学修者本位の教育」を効果的に実現するための因果モデルを提案する.本モデルは,多様な学生が在籍する大学において,個別・層別最適な学修と自学自習の実現を目的とし,教授者の教育活動が学修者の学習活動に与える影響を明確にし,教育活動と学習活動の関係性を明らかにする.因果モデルの開発にあたって,先行研究より各種の活動を抽出し,有向非巡回グラフ(Directed Acyclic Graph: DAG)に相互作用と包含関係関係を追加した.本モデルにより,教授者が効果的に教育活動を展開するための指針を提供することで高等教育の質向上が期待される.