2025 年 2025 巻 2 号 p. 356-359
本報告では,学生の講義資料注視領域を把握するための技術としてアイトラッキングを利用した新たな手法を提案している.本手法は従来型アイトラッキングにおいて必要なキャリブレーションを不要とする「ユーザビリティ」「システム実装容易性」に優れた技術である.今回,提案手法実現に向けた基本検討としてMedia Pipeにより学生の「顔の大きさ」「瞳の特徴点」を抽出,顔とディスプレイ間距離を推定することでキャリブレーション有無による視線位置の差を評価,分析した.今後,抽出された視線データをベースに教員の伝えたいポイントと学習者の注視領域を分析,学修効果の高い資料作成への展開,応用を目指したいと考えている.