2025 年 2025 巻 2 号 p. 364-371
近年,第二言語習得研究の成果が教育現場に広く取り入れられ,教室活動に活かされている.一方で,学習者が自身に必要な学習を客観的に把握することや,それに伴う必要な学習方法を再現できるか,といったICT教育への応用には,優れた学習者モデルが必要である.そこで本研究では,初級から中級への移行時に必要となる補償ストラテジーを取り上げ,初級日本語学習者に対して行ったアンケートを統計手法により分析し,成績別補償ストラテジーの使用の有意差を確認することで,成績上位者の特徴を明らかにし,学習ジレンマに陥ることのない個別学習支援の構築に向け検討した.