日本食品工学会誌
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原著論文
IHおよびガス加熱における鍋内対流の可視化と定量化
川上 春菜鄧 傅宗福岡 美香酒井 昇
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2010 年 11 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

調理において,流体の挙動は食品の品質に影響する.本研究では新しく開発したトレーサ粒子を用いて,IH加熱とガス加熱において,鍋内対流の可視化および定量化を行った.粒子径の大きなトレーサ粒子は流れに対する追従性が悪くなり,粒子径が小さいほど対流に及ぼす影響は少ないと考えられる.その反面,トレーサ粒子が小さすぎると,対流の観察に支障を生じてしまう恐れがあるが,チップ先端口1 mm,粒径平均2.5 mmの粒子は充分視認性もあることから,この粒子を使用した.トレーサ粒子を用いることで,水を対象としたときの鍋内対流の可視化を行うことができた.また,IH加熱とガス加熱において,鍋上部と鍋内の2方向からの撮影により,3次元でのトレーサ粒子の運動を定量化することができた.IH加熱とガス加熱で同量の熱量で加熱を行った場合,加熱初期ではガス加熱よりもIH加熱の方が,流速が大きかった.

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© 2010 一般社団法人 日本食品工学会
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