抄録
食品を評価する際に視覚情報は重要である.とくに焼く調理は,見た目を変化させることが操作目的の1つである.本研究では,食品を一般化できる画像データとして記録するための装置,ならびに画像処理ソフトウェアの開発を行った.積分球を模擬した内面に白い塗料を塗布した直径500 mmの球形のドームを作成し,その中に中央部に被写体となる食品を置いた.被写体の下面に,検査用のD65蛍光灯を2本設置することで,間接光のみが被写体に照射されるようにした.白色と24色の標準色票を用いて,撮影画像のシェーディング補正と色補正を行うことで,マンセル彩度C値が5以下の色で,標準色票のsRGB規格値と画像データから得た値がよい一致を示した.また,L*は,色差1以内で規格値と一致した.さらに,食パンのクラム部を200℃の空気で焼成した際の色変化について,L*値をパラメータとしたヒストグラムによる焼き色の評価例を示した.