日本食品工学会誌
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原著論文
デジタルカメラを用いた食品の焼き色評価装置の開発
伊與田 浩志酒井 英樹高砂 裕行島田 秀弥
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2010 年 11 巻 4 号 p. 203-213

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抄録

食品を評価する際に視覚情報は重要である.とくに焼く調理は,見た目を変化させることが操作目的の1つである.本研究では,食品を一般化できる画像データとして記録するための装置,ならびに画像処理ソフトウェアの開発を行った.積分球を模擬した内面に白い塗料を塗布した直径500 mmの球形のドームを作成し,その中に中央部に被写体となる食品を置いた.被写体の下面に,検査用のD65蛍光灯を2本設置することで,間接光のみが被写体に照射されるようにした.白色と24色の標準色票を用いて,撮影画像のシェーディング補正と色補正を行うことで,マンセル彩度C値が5以下の色で,標準色票のsRGB規格値と画像データから得た値がよい一致を示した.また,L*は,色差1以内で規格値と一致した.さらに,食パンのクラム部を200℃の空気で焼成した際の色変化について,L*値をパラメータとしたヒストグラムによる焼き色の評価例を示した.

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© 2010 一般社団法人 日本食品工学会
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