日本食品工学会誌
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技術論文
トウモロコシ澱粉の流動層造粒工程の解析
-バインダ供給速度および噴霧圧が流動層含水率および顆粒の成長に及ぼす影響-
五月女 格井上 孝司片桐 孝夫竹内 博一津田 升子竹中 真紀子岡留 博司五十部 誠一郎
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2012 年 13 巻 4 号 p. 127-136

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抄録
流動層造粒は様々な粉末食品の流動性および溶解性を向上させるために広く使用されている.流動層造粒では粉末に水溶液バインダを噴霧して粒子を結着させ顆粒を生成するが,顆粒の含水率増加は製品の品質変化や乾燥工程の長時間化の原因となる.本研究では好適なバインダ噴霧条件を得るため,トウモロコシ澱粉800 gおよびデキストリン200 gを原料として,バインダ供給速度(10~40 g/min)およびバインダ微粒化空気圧(0.05~0.25 MPa)が,流動層含水率および顆粒成長におよぼす影響について検討した.バインダ供給速度が速くなるにしたがい,造粒に寄与せず蒸発するバインダの量は増加したが,そのバインダ供給量に対する比率は約60%から30%に減少した.流動層含水率に対するバインダ微粒化空気圧の影響はみられなかった.バインダ供給速度が速く噴霧圧が低い条件では少ないバインダで顆粒が成長したが粗大粒が発生した.バインダ供給速度が遅い条件では球形で均一な顆粒が得られた.
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© 2012 一般社団法人 日本食品工学会
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