日本食品工学会誌
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技術論文
超遠心粉砕機による米のクラリオ微粉末化と各種米微粉末の微細構造
高橋 寿明清水 直人フジウ カテリーナネヴェス マルコス市川 創作中嶋 光敏
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2013 年 14 巻 1 号 p. 59-67

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抄録
ハンマミルで調製された平均粒径 108μmの米微粉末を一次原料にして,粉末の液体窒素浸漬処理の後,超遠心粉砕機を用い,ロータ回転数を6000,8000,10000,14000,18000,18000 ×2 cycle rpmに設定して米のクラリオ微粉末化を試み,6種の米微粉末を調製した.それら米微粉末の成分と粒径分布の測定を行い,米のクラリオ微粉化の素過程に関して,各種米微粉末(低温臼式製粉粉,ハンマミル粉,ジェットミル粉)の成分や平均粒径を参考にしながら解析を進めた.次いで,走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning electron microscopy)を用い粳米デンプンの粒子画像を対象にして,超遠心粉砕機による米微粉末と各種米微粉末の微細構造の観察を行った.超遠心粉砕機による米微粉化の素過程として,5種の玄米微粉末の粒子分布には,14.3~17.8 μmと52.1~92.1 μmの2つのピークが認められ,最も平均粒径の細かい粉砕粉末は,17 μmを中心とする粒径分布へと変化,収束していった.SEMによって観察された平均粒径40 μmの粒子は,輪郭が丸く,球形に近かった.平均粒径10 μm以下の粒子の構造は,粳米デンプンの一次粒子に近い多面体であった.また,粉末の加工適性として重要な品質項目であるバルク粉末表面の白色度について,マイクロスケールまで微細化された米微粉末は,より白色度が高まり,細かいほど白いとする傾向は,数マイクロまでサイズダウンされた米微粉末についてもいえるとともに,白度が有用な指標であることがわかった.
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© 2013 一般社団法人 日本食品工学会
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