抄録
3次元的に乾燥が進行するフリーズドライスープの乾燥行程をシミュレーションできる数学的モデルを開発した.特に食品産業で広く使用されている放射熱を熱源とする乾燥装置をシミュレートできるモデルとした.予備調理された味噌調味液を直方体のプラスチックトレーに入れ凍結乾燥させると,乾燥は三次元的に進行した.すなわち,昇華界面は乾燥の進行に伴い変化するが,これを実験に基づく経験式によって表現し,乾燥過程をシミュレートする計算を単純化した. Microsoft Excelを用いて実施したシミュレーションの結果は実験的に得られた乾燥曲線と良好に一致しており,モデルの妥当性を確認できた.提案したモデルを基礎として,デザインスペースの推算方法を提案し,作成したデザインスペースから最適な操作条件を予測する手法を考察した.