日本食品工学会誌
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技術論文
大豆タンパク質のミクロ構造制御を基盤技術とする新規肉様食品の開発
小林 敬Ratchanon CHANTANUSON奥山 奈名実西堀 功規赤木 美佳廣塚 元彦長嶺 信輔高村 仁知萬成-笹川 誉世中川 究也
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2022 年 23 巻 1 号 p. 35-44

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抄録

人口増加への対策として,植物ベースの新たなタンパク源の確保が課題となっている.本研究では,大豆を利用した代替肉の作製を実施した.大豆粉をベースとしてアルギン酸,繊維,油脂などを原料とし,凍結後にカルシウムによる架橋処理を施しゲルを作製した.このゲルに再度凍結・解凍,タンパク質溶液の浸潤・ゲル化を施すことで,層状の肉様組織化構造物を作製した.そして,冷凍による組織状構造の形成挙動や,繊維の有無が構造物の物性に及ぼす影響を明らかにした.また,官能評価から,食感は木綿豆腐よりも有意に好まれ,より畜肉に近かった.これらの結果から,提案した新規構造物作製法は,より畜肉に近い食感を有する大豆ベースの代替肉の製造手段として有望であることが示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本食品工学会
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