日本食品工学会誌
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スイカ赤肉大玉品種‘祭ばやし777’における果皮白色部利用による廃棄率の低減とその果汁の成分分析および一重項酸素消去活性について
藤田 信吾大澤 雅子稲熊 隆博
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論文ID: 23633

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抄録

廃棄率が大きい食品であるスイカの廃棄率低減を目指して,果皮白色部を利用した果汁にしたところ,授粉後日数にかかわらず,廃棄率は20から30%の範囲にあり,日本食品標準成分表で記載されている40%よりも低かった.果汁色はL値とa値から授粉後40日をピークに変動することが推察された.Brixも完熟期である授粉後40日を境に安定化がみられ,10°Bx程度確保できたことから,十分利用できる可能性が示唆された.果汁100gあたりにシトルリンは164.7mg(授粉後40日),アルギニンは41.9mg(授粉後50日),γ-アミノ酪酸は16.5mg(授粉後50日),リコペンは3.34mg(授粉後40日)含有され,一重項酸素消去活性であるSOAC値は8.62μmol α-トコフェロール当量/mL(授粉後40日)であった.果皮白色部を利用した果汁のSOAC値(y)とa/b値(x)との相関関係は強く(相関係数=0.915),回帰式(y=5.824x − 4.448)が得られ,a/b値からSOAC値を予測できる可能性が示された.

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