2023 年 24 巻 4 号 p. 103-111
廃棄率が大きい食品であるスイカの廃棄率低減を目指して,果皮白色部を利用した果汁にしたところ,授粉後日数にかかわらず,廃棄率は20から30%の範囲にあり,日本食品標準成分表で記載されている40%よりも低かった.果汁色はL*値とa*値から授粉後40日をピークに変動することが推察された.Brixも完熟期である授粉後40日を境に安定化がみられ,10 °Bx程度確保できたことから,十分利用できる可能性が示唆された.果汁100 gあたりにシトルリンは164.7 mg(授粉後40日),アルギニンは41.9 mg(授粉後50日),γ-アミノ酪酸は16.5 mg(授粉後50日),リコペンは3.34 mg(授粉後40日)含有され,一重項酸素消去活性であるSOAC値は8.62 μmol α-トコフェロール当量/mL(授粉後40日)であった.果皮白色部を利用した果汁のSOAC値(y)とa*/b*値(x)との相関関係は強く(相関係数 = 0.915),回帰式(y = 5.824 x − 4.448)が得られ,a*/b*値からSOAC値を予測できる可能性が示された.