日本食品工学会誌
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人間の消化活動を指標とした食品品質評価に関する研究
―腸音の音響特性解析と腸音自動検出法の検討―
阪田 治金子 昌子丹下 幸子佐竹 隆顕鈴木 純恵
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2004 年 5 巻 2 号 p. 113-119

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抄録
人間の体調に対する食品の品質や献立の善し悪しを判断する問題に関して, 食物の消化吸収にきわめて重要な役割を果たしている小腸の腸音を基準にして判断する方法の検討を行った.腸音を腹部表面の4カ所に設置した高感度加速度センサで検出するとともに, A/Dコンバータ, DAT, HDおよびパーソナルコンピュータからなるマルチ信号処理システムによりデータ処理を行った.検出精度を高めるための信号データの前処理に独立成分分析を援用することとし, 6つのICAアルゴリズムを適用した結果, 腸音には独自のパワースペクトルパターンが存在することが明らかとなった.また, 標準腸音パワースベクトルとテンプレートとして未知の腹部音響信号からの腸音の検出を検討した結果, 開発したシステムは, 人間の耳で感知可能なレベルの腸音については取りこぼしなく検出が可能であることが明らかとなった.
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