日本食品工学会誌
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凍結・解凍効果を利用した食品廃棄物の脱水処理
四宮 陽子宮脇 長人
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2004 年 5 巻 3 号 p. 153-162

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抄録

省エネルギー的な食品廃棄物の減量処理法として, 凍結・解凍・脱水法について検討した.試料は野菜, 果物, それらの調理くず, 肉や魚, ゲル状食品, 加熱食品から約40種類を選択した.それらの試料を凍結・解凍処理ののち, 遠心分離または荷重圧搾で脱水した.凍結・解凍・脱水法は肉や魚にはそれほど効果はなかったが, 野菜, 果物, それらの調理くず, ゲル状食品に対しては大きな効果があり, 40から60%の減量効果が得られ, また全試料の平均水分含量は, 本操作により86.0%から76.9%に減少した.以上の実験結果と統計データを用いて台所の生ゴミ全体について, 凍結・解凍・脱水効果を試算したところ約37%の減量効果が予測された.本方法は食品廃棄物の輸送, 焼却, コンポスト化のいずれに対しても有効であることが期待される.

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