日本食品工学会誌
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油脂分解性微生物を用いた小規模含油排水処理に関する実用化研究
黒住 悟北村 卓也坪田 順一和泉 好計倉根 隆一郎
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2005 年 6 巻 4 号 p. 245-251

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抄録
外食店厨房等における油脂含有排水の処理対策が非常に遅れている原因の1つとして, 事業規模に対して公害防止設備の設置や維持管理による費用面での負担割合が大きいことが挙げられており, 飲食店舗のような小規模な事業場においても現実的に普及可能な処理システムが強く求められている.本研究では, 小規模な油脂分解排水処理システムの構築を目的として, 自然界より油脂高分解活性微生物のスクリーニングを行い, 選抜した菌株はBurkholderia cepacia AIK株と同定された.本菌の最適培地として3%CSLおよび1%グリセロールを添加したCSL培地が効果的であった.このCSL培地で培養したAIK菌の製剤化, 通気撹拌装置の製作, 実排水処理試験までを検討した結果, 容易に設置可能な設備と微生物製剤を用いた処理システムにより, 実際に営業しているファーストフードチェーンの飲食店において, 流出排水に含まれるn-ヘキサン抽出物質量を導入前1100mg/Lから導入後100mg/L程度にまで低減した.
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