日本食品工学会誌
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超音波照射は, 黒酢による脂肪の分解を亢進させる
新井 千加子國方 敏夫中村 次郎政木 直也岩城 完三福田 恵温
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2006 年 7 巻 3 号 p. 175-179

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抄録
黒酢には脂質代謝改善作用があるといわれている.そこで, 我々は超音波照射と黒酢投与を併用し, ラットでの血清脂質パラメータへの影響を調べた.一般的に超音波照射には脂肪分解作用があるといわれている.ラットに黒酢4mg/kgまたは400mg/kgを1日1回, 週5回ゾンデで1ヶ月間投与した.その間, 週2回715kHzの超音波を30分間照射した.黒酢投与14回 (超音波6回) , 24回後 (超音波10回) に尾静脈から採血し, TGおよびFFAを測定した.その結果, 黒酢投与のみではTGおよびFFAに変化は認められなかったが, 黒酢と超音波の併用では投与18日後に黒酢4mg/kg群で, 投与32日後に黒酢400mg/kg群で有意なFFA値の低下が認められた.さらに1ヶ月目に超音波照射の前後で比較すると, 併用群ではTGおよびFFAの上昇率が黒酢の濃度依存的に高い現象がみられた.以上の結果から, 超音波照射が黒酢による脂肪分解効果をさらに高めていると考えられる.
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