日本食品工学会誌
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多品種少量食品製造現場におけるHACCP実施の問題点
山田 晃弘日佐 和夫福岡 美香萩原 知明崎山 高明渡辺 尚彦
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2007 年 8 巻 2 号 p. 59-71

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抄録

多品種少量生産型の食品製造現場においてHACCPと同等レベルの衛生管理を実現し, これらの現場で製造された食品の安全性向上に資することを目的として, 中食の調理加工工場の実地調査を通じて, 多品種少量生産食品製造現場におけるHACCP実施に伴う問題点の詳細な把握を試みた.その結果, (1) 管理する品目の数が多い, (2) 交差汚染防止に効果的とされるゾーニングや一方通行化を図れるほどの施設設備的な余裕がない, (3) 製造プロセスが現場の裁量により臨機応変に変わる, といった問題点が具体的に明らかとなり, 単一生産を前提とした現行のHACCPの実施は非現実的であることがわかった.これらの問題点の中で, 特に管理品目の数の多さの問題に関連して, 現行の単一生産を前提として作成したHACCPプランを, 危害原因物質, 発生要因, 防止措置が同様のものをグループ化・再構築してスリム化する手法を解決策として考案した.

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