日本食品工学会誌
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低カフェイン処理機を用いて製造した「べにふうき」緑茶の化学成分変動と抗アレルギー活性への影響
山本 (前田) 万里長屋 行昭三森 孝山口 優一堀江 秀樹江間 かおり鈴木 昌文山内 英樹藁科 文雄水上 裕造廣野 久子物部 真奈美
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2007 年 8 巻 3 号 p. 109-116

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抄録

乳幼児, 妊婦や高齢者に「べにふうき」緑茶を飲用してもらうために開発した低カフェイン処理機は, 生葉に95℃の熱水シャワーを90秒以上吹きつける処理により, EGCG3”Me含量を減らすことなく, カフェイン含量を50%以上減少させることができた.本処理機は, 通常の製茶製造ラインでは, 粗揉機の前に設置し, 生葉投入口から生葉を均等な厚さにならしながら処理機内に入れ, 95℃以上の熱水シャワーをネットコンベアにより移送中の生葉に吹き付けた後, 常温水を噴霧して冷却することで, 低カフェイン処理を行う.本処理機は, 従来の網胴回転攪拌式蒸機 (800K) に比較して約1.8倍の設置面積が必要であり, 必要循環熱水量は約36000L/hr, 必要熱量は水注入と生葉温度の上昇とロス分を含め約35万kcal/hrである.また, 本処理により, 「べにふうき」緑茶の抗アレルギー活性は減少することはなかった.

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