日本食品工学会誌
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コーヒー豆由来のマンノオリゴ糖の食品への高度応用
藤井 繁佳浅野 一朗尾崎 和人熊王 俊男
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2007 年 8 巻 4 号 p. 231-238

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抄録
世界的にみて, コーヒーは最もポピュラーな飲料の1つである.近年, 多くの疫学研究により, コーヒーの飲用が様々な病気の予防に関与していることが示唆されており, 注目されつつある.コーヒーには幾つかの生理活性物質が含まれており, 生体に有用な効果を及ぼすことが知られている.その中で我々は, コーヒー抽出粕を熱加水分解することによって得られるマンノオリゴ糖 (MOS) に着目した.MOSは感染症予防などで注目されているマンノースを構成糖としており, 様々な機能が期待されたが, その有効性については殆ど解明されていなかった.そこでMOSの機能性評価および応用研究を開始した.最初に, MOSの整腸作用についてin vitro, 動物試験および臨床試験でその機能性を確認した.次に, 動物試験および臨床試験によりMOSが小腸における脂質の吸収を抑制して, 体脂肪の低減作用を有していることを確認した.これらの知見は, MOS入りのコーヒー製品の開発に応用され, 特定保健用食品として上市された.
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