2024 年 1 巻 p. 11-
【はじめに】 心理的因子が影響しADLが低下した患者を経験した.行動変容技法を用いた理学療法を行った結果,身体活動量増加および意識の改善がみられたため報告する. 【症例紹介】 患者は慢性期脳出血を呈した70歳代女性である.運動習慣はなくIADLは他者に依存的であった. 【方法】 多理論統合モデルに基づき,心理的因子を評価しながら行動変容ステージに合わせて理学療法を実施した. 【経過・結果】 在宅運動自己効力感の向上や転倒不安感の軽減を認め,行動変容ステージが無関心期から実行期となった.また,自主練習実施の頻度や時間の拡大を認め,退院後のIADLに対する意識の改善や外出意欲がみられた. 【まとめ】 心理的指標や行動面の評価が運動や活動に対する課題を絞ることができた.患者と各行動変容ステージとの整合性がとれた段階的な目標設定や自主練習の強度等を調整したことで,運動自己効力感や活動意欲の向上に繋がったと考える.