日本食品微生物学会雑誌
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調査
国産ミネラルウォーターのエンドトキシン濃度測定による水源およびその製造所における細菌汚染検出の試み
大西 貴弘
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2010 年 27 巻 3 号 p. 141-145

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抄録

ミネラルウォーターの水源およびその製造所における細菌汚染の指標としてエンドトキシンを利用できるか検討を行った.国産ミネラルウォーター41銘柄中3銘柄において非殺菌のヨーロッパ産ミネラルウォーターの約5~15倍,水道水の約2.5~7.7倍という非常に高いエンドトキシン濃度を示した.グラム陰性菌とエンドトキシン濃度の関係を表す回帰曲線を作成したところ,この3銘柄のエンドトキシン濃度は約8.9×103~2.2×104 cfu/mlのグラム陰性菌に相当した.さらにこの3銘柄中1銘柄から大腸菌群の遺伝子が検出された.以上の結果から,ミネラルウォーター中のエンドトキシン濃度を測定することはミネラルウォーターにおける殺菌・除菌前の細菌汚染をスクリーニングするのに有用であることが明らかになった.

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© 2010 日本食品微生物学会
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