J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

日本食品微生物学会雑誌
Vol. 32 (2015) No. 4 p. 185-191

記事言語:

http://doi.org/10.5803/jsfm.32.185

原著

L. monocytogenesは自然界に広く存在することから,感染経路としては原材料を起源として食品中で増殖するだけではなく,環境からの二次汚染も原因と考えられている.そのため,L. monocytogenesの制御には,製造環境の徹底した衛生管理が求められている.

そこで,環境モニタリングの検査キットとしてVIDAS UP Listeriaを活用するに当たり,その専用増菌培地であるLPT Brothの増殖能を評価した.L. monocytogenesの増殖能はクエン酸鉄アンモニウム(III)を除いたhalf FraserやFraser Brothに比べて最大増殖速度で3.0~6.3倍,ODの最大値で2.4~2.9倍にあり,LPT Brothの方が優れていた.また,LPT Brothではグラム陰性菌であるAcinetobacter, Pseudomonasの多くが増殖しないことも確認できた.増菌培養後のL. monocytogenesの菌数は一般細菌の共存下では低下し,M. arborescensP. putida groupの初期菌数と増菌後のListeria菌数には負の相関が認められた.そのため,一般細菌数が多い検体では,規定範囲内(22~30 hr)で26 hr以上に設定する必要があった.VIDAS UP ListeriaL. monocytogenesだけでなくListeria属菌を広く検知可能であり,定性的な検出に通常4日を要する公定法に対し検査2日目に判定が可能な点から,迅速な対応を必要とする工場の環境モニタリングには有効な手法であった.

Copyright © 2015 日本食品微生物学会

記事ツール

この記事を共有