日本食品微生物学会雑誌
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調査
2010年から2012年に東京都内で流通した食肉におけるバンコマイシン耐性腸球菌の検出状況
西野 由香里井田 美樹下島 優香子福井 理恵猪股 光司黒田 寿美代奥野 ルミ甲斐 明美平井 昭彦貞升 健志
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2016 年 33 巻 2 号 p. 76-81

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抄録

2010年から2012年に都内で流通した食肉からのVREの検出状況を調査した.VanA型VREは,輸入鶏肉165検体中7検体(4.2%)より検出され,いずれもブラジル産鶏肉由来であった.また,VanC型VREは,鶏肉からは90%以上,牛・豚肉からは約50%で検出された.2009年から2012年に鶏肉より分離されたVanA型VRE 8株について薬剤感受性試験を行った結果,VCMのMIC値は,>256 μg/mlが6株,16 μg/mlが1株,12 μg/mlが1株,TEICにおいては,32 μg/mlが1株,16 μg/mlが1株,<16 μg/mlが6株であった.食肉由来VanC型VREについてVCMのMIC測定を行った結果,145株中2株が16 μg/ml, ≦8 μg/mlが143株であった.食肉にはVREが存在することがあり,十分に加熱して喫食することが重要と考えられる.

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© 2016 日本食品微生物学会
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