日本食品微生物学会雑誌
Online ISSN : 1882-5982
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33 巻 , 2 号
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シンポジウムII 食品の微生物制御における国際整合性と工程管理の重要性
原著
  • 中村 寛海, 安福 潔, 平山 照雄, 平井 有紀, 藤原 佐美, 西尾 孝之
    2016 年 33 巻 2 号 p. 61-68
    発行日: 2016/06/30
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    2008年4月~2013年1月の間に大阪市内の食品製造施設および食品から分離されたグラム陰性桿菌114株についてカルバペネム耐性を調べた.その結果,114株のうち1株(Pseudomonas fluorescens)のみがメロペネム耐性を示したが,そのほかの113株はすべて本剤に感受性であり,カルバペネマーゼ産生菌の出現頻度は低いと考えられた.Pseudomonas fluorescensはメロペネム,セフォキシチン,セフォタキシム,セフポドキシムに耐性を示したが,カルバペネマーゼ産生菌である可能性は低いと考えられた.セフォキシチンに耐性を示した10株のうち6株はAmpC産生菌と考えられたが,いずれもプラスミドとして獲得したものでなく,染色体性に本来所有するβ-ラクタマーゼ遺伝子であると考えられた.Rahnella aquatilisの2株はいずれもCTX-M型のESBL産生菌であり,染色体上に存在する既報のRAHN-2遺伝子であると考えられた.

  • 千葉 隆司, 高橋 由美, 上原 さとみ, 貞升 健志
    2016 年 33 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2016/06/30
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    食品等から分離した酵母について,塩基配列解析法と市販同定キット(API 20C AUX)の同定結果を比較した比較した.1)酵母84株の酵母についてrDNA2領域の塩基配列解析法による同定を行った結果,基準株との塩基配列比較により,全ての株について同定が可能であった.2)API 20C AUX と塩基配列解析法の結果一致率は,種レベルでは57.1%,属レベルでは82.1%であった.3)API 20C AUXと塩基配列解析法の一致率について,キットが示す同定確率を基に比較したところ,同定確率が80%以上では属レベル,90%以上では種レベルで一致する確率が高くなる傾向が見られた. また,塩基配列解析でCandida intermedia/C. pseudointermedia を示した株の一部は,API 20C AUX 上では同定確率90%以上でT. mucoides を示した.以上の結果から,食品由来の酵母の同定にAPI 20C AUXを利用するには,キットが示す同定確率などを指標にするとともに,rDNA2領域の塩基配列解析法を併用することが望ましいと考えられた.

調査
  • 西野 由香里, 井田 美樹, 下島 優香子, 福井 理恵, 猪股 光司, 黒田 寿美代, 奥野 ルミ, 甲斐 明美, 平井 昭彦, 貞升 健 ...
    2016 年 33 巻 2 号 p. 76-81
    発行日: 2016/06/30
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    2010年から2012年に都内で流通した食肉からのVREの検出状況を調査した.VanA型VREは,輸入鶏肉165検体中7検体(4.2%)より検出され,いずれもブラジル産鶏肉由来であった.また,VanC型VREは,鶏肉からは90%以上,牛・豚肉からは約50%で検出された.2009年から2012年に鶏肉より分離されたVanA型VRE 8株について薬剤感受性試験を行った結果,VCMのMIC値は,>256 μg/mlが6株,16 μg/mlが1株,12 μg/mlが1株,TEICにおいては,32 μg/mlが1株,16 μg/mlが1株,<16 μg/mlが6株であった.食肉由来VanC型VREについてVCMのMIC測定を行った結果,145株中2株が16 μg/ml, ≦8 μg/mlが143株であった.食肉にはVREが存在することがあり,十分に加熱して喫食することが重要と考えられる.

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