日本食品微生物学会雑誌
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成鶏処理場における細菌汚染状況とその制御
クラリータ M. サングカル佐原 啓二大畑 克彦森 健加藤 秀夫池端 昭男本田 敬康
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1997 年 14 巻 1 号 p. 49-52

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抄録
静岡県内にある新設成鶏処理場を対象にして, 処理場内の細菌汚染状況を調ベた.また, 細菌汚染を少なくするために可能な措置を講じて, その効果を調ベた.脱羽後と体, 冷却後と体および最終製品の食鳥肉のSPC平均値は, それぞれlog3.7CFU/cm2 (以下3.7), 3.1および4.3と高値を示した.脱羽機と冷却水の残留塩素濃度を改善した後は, 脱羽後と体のSPCが3.0と有意に減少した.しかし食鳥肉は4.2で, これらの措置のみでは改善されなかった.使い捨てのゴム製手袋を使用して解体したところ, 食鳥肉のSPCは3.4と減少を認めた.以上より, 食鳥肉の細菌汚染は作業員の軍手によるものと推察され, 衛生的な製品を製造するためには, 手袋の衛生管理が不可欠であることが示された.
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