日本食品微生物学会雑誌
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DOXを用いた食品中のサルモネラ迅速検出法の検討
山梨 秀己久保田 裕美郡司 明博吉田 雅一中谷 正己仲西 寿男
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2004 年 21 巻 2 号 p. 160-167

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抄録
DOXセル内に充填するサルモネラ増菌培地にRV培地を選択し, 運転温度を42℃ とすることでDOXを用いたサルモネラ検査法が開発できた.本法を評価して以下の結論を得た.
1) 本法の検出同時再現性とサルモネラ選択性は良好であった.
2) 106個/mlのサルモネラ培養液を8時間以内に検出することができた.
3) 食品検体からの検出のためにDOXセルへ接種する試料は従来法の検査で得られる前増菌または選択増菌培養液を用いるため, 従来法と並行して検査を行うことが可能であった
4) 液卵検体の検討では, 本法の前増菌培養液検査結果と従来法検査結果は95%以上の高い一致率を示し, 培養開始2日後にサルモネラ汚染の自動判定が可能であった
5) 鶏ミンチ肉検体では, 選択増菌培養液の検査で90%以上の一致率が得られ, 培養開始3日後にサルモネラ汚染の自動判定が可能であった.
6) 本法が液卵や鶏肉に関わる食品製造現場において, 迅速・簡便なサルモネラスクリーニング検査法として有用と評価された.
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