日本食品微生物学会雑誌
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ナチュラルチーズからのListeria monocytogenes検出における自動免疫蛍光測定装置の利用
酒井 史彦青山 顕司篠澤 映子山縣 尚丸山 務五十君 静信柳平 修一
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2005 年 22 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

ナチュラルチーズからのListeria monocytogenes (リステリア) 検出法について, 公定法 (衛乳169号) と増菌後にVIDAS LMO2を用いて検出する迅速測定法 (ELFA法) を比較検討した.
供試した33検体のナチュラルチーズは, 両検査法でリステリア陰性であることを確認した.それぞれのチーズにリステリアを接種し (1cfu/g), 両検査法に供した.その結果, 検出率が100%に満たなかったチーズは, 公定法で13検体, ELFA法では6検体であった.全検体を通した検出率は公定法では83%, ELFA法では89%であり, 後者の方が高い傾向にあった.ブルーチーズや一部のカマンベールチーズにおいては, ELFA法での検出率が, 公定法よりも著しく低い結果となった.この原因は, 増菌培養でリステリアが十分増殖しなかったためであった.以上の実験結果より, ELFA法は, 一部特定のチーズを除いて公定法と同等か, あるいはそれ以上の検出率を有しており, ナチュラルチーズからL. monocytogenesの迅速測定法として, 十分に利用できるものと判断された.

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