日本食品微生物学会雑誌
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レタス, キャベツおよびキュウリに接種した大腸菌O157: H7の次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄殺菌効果
名塚 英一稲津 康弘M. L. BARI川崎 晋宮丸 雅人川本 伸一
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2005 年 22 巻 3 号 p. 89-94

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抄録

レタス, キャベツおよびキュウリに接種した大腸菌O157: H7と一般細菌の洗浄殺菌効果を検討した.次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄殺菌の開始1分間で接種O157と一般生菌数の減少は最も大きく, それ以降の減少は緩慢になった.次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度100~400ppmの範囲では, 洗浄殺菌効果には大きな差は認められない結果となった.
次亜塩素酸ナトリウム溶液での洗浄殺菌において, レタス, キャベツおよびキュウリの切断面に接種したO157菌数は, 非切断面に接種したO157と比較し, 約2~3log10cfu/g小さく, 切断面に接種したO157の洗浄殺菌は非常に困難であることが示された.
次亜塩素酸ナトリウム溶液1,000mlに浸漬するレタス, キュウリの重量を50~200gの範囲で多くすると, 残留した有効塩素濃度の減少率は大きくなり, 検体200gを浸漬した場合, 10分後には残留有効塩素濃度が約70%に減少した.

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