2016 年 80 巻 4 号 p. 283-288
北海道オホーツク海沿岸域で漁獲される地まきホタテガイMizuhopecten yessoensisについて,産地価格を決定する一つの要因である貝柱湿重量に着目して,海洋環境が及ぼす影響を評価した.解析には1992–2012年のデータを用い,応答変数は漁獲盛期である8–10月における4年貝の平均貝柱湿重量,説明変数は4–7月における各月の底層水温,底層クロロフィルa濃度(餌濃度の指標)および稚内と網走の水位差(流れの強さの指標)とした.スピアマンの順位相関係数を求めた結果,平均貝柱湿重量は4月の水温とクロロフィルa濃度および水位差のそれぞれと有意な正の相関を示した.さらに,これらの説明変数を使って一般化線形モデルを構築して,AICによる変数選択を行った結果,すべての説明変数を用いたモデルが選択された.以上の結果は,4月の海洋環境が地まきホタテガイの貝柱湿重量に強い影響与えていることを示唆している.