2018 年 82 巻 1 号 p. 14-25
資源量変動の推定に「年」の定義が与える影響を検討するために,マサバ対馬暖流系群において,従来の暦年集計と漁期年集計にもとづく資源評価結果を比較した.東シナ海・日本海および韓国近海のマサバ漁獲量は集計方法間で大きな差はなかったが,暦年集計では0歳魚と1歳魚が主体であったのに対し,漁期年集計では0歳魚が全体の8割以上を占めていた.資源量指標値によるチューニングVPAで推定された資源量と親魚量は,年トレンドに大きな違いはなかったが,漁期年集計の方が常に少なかった.一方,推定加入量にはほとんど差がなかった.レトロスペクティブパターンから,暦年集計と漁期年集計ともに資源量の過大推定が継続的に見られた.漁期年集計の修正の程度は多くの年で小さかったが,修正の度合いが大きい年があり,その年代ではABCも過大に算定された.最後に,漁期年集計にもとづく資源評価結果の特徴と今後の課題を整理した.