2019 年 83 巻 4 号 p. 260-270
八丈島周辺海域におけるクサヤモロの漁況の変動要因について,一般化線形モデル(GLM)と混合正規分布のパラメータ推定により検討した.GLMによる解析の結果,年,月,黒潮流路が漁獲量・魚体重量に影響することが示された.操業隻数の増加に伴って1隻当たりの漁獲量が減少し,その要因として出荷可能量を勘案して設定する漁獲制限が考えられた.GLMの年の係数から,2015年以降の資源動向・魚体重量はそれぞれ減少・増加傾向にあることが示唆された.漁獲量は8–11月に増加して11–12月に減少することが示され,その要因として混合正規分布の結果から漁獲対象となる1–3歳魚の成長と年齢組成の変動が考えられた.黒潮が八丈島の南側を通過するC型流路に移行すると同月の漁獲量が非C型流路よりも1.1–1.2倍増加することが示され,その要因として栄養塩の増加に伴う餌料環境の改善により高成長となった同年齢魚の加入と年齢組成の高齢化による魚体重量の増加が考えられた.