水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
原著論文
富山県で漁獲されるマルソウダの生物学的特徴と日本海沿岸海域における漁獲傾向
南條 暢聡舩越 裕紀寺門 弘悦
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2020 年 84 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

マルソウダは主に太平洋側で漁獲される魚種だが,富山県は日本海側としては例外的に漁獲量が多い.近年,富山県の漁獲量は減少傾向となっているが,日本海における本種の資源生態的情報は極めて乏しく,要因について検証を行うことが困難な状況となっている.そこで,本研究は日本海におけるマルソウダの生物学的特徴を整理するとともに,各府県の漁獲傾向からその回遊動向を推定することを目的とした.富山県では,夏季に尾叉長30–35 cm台の個体群が出現し,秋季に22 cm台をモードとした当歳魚がこれに加わる特徴があった.夏季に漁獲された個体群は成熟しており,富山県沿岸海域で産卵を行っていると考えられた.一方,各府県の漁獲傾向から,マルソウダは日本海で夏季の北上回遊と秋季の南下回遊を行っており,南下回遊時には,富山湾内へ移入してくる個体群と,湾外を能登半島から南西海域へ移動する個体群が存在することが示唆された.

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© 2020 一般社団法人 水産海洋学会
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