水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
原著論文
長崎県対馬周辺海域の人工魚礁の効果範囲推定
井上 誠章 桑原 久実南部 亮元石丸 聡橋本 研吾桑本 淳二増渕 隆仁金岩 稔
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2020 年 84 巻 3 号 p. 187-199

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抄録

魚礁効果に関する多くの研究は漁業に依存しない調査データによるものであり,商業漁業によって得られた漁業依存データを用いた研究は少ない.漁獲量および漁獲量を努力量で除して計算されたCPUE(Catch per unit effort)は魚礁効果のほか,操業海域や漁船能力,資源の年および季節変動の影響を受ける.そのためCPUEをそのまま用いた解析からは資源密度にあたえる魚礁効果を偏りなく評価できない.本研究ではメダイ,ヒラマサおよびイサキについて,上記の問題を避けるためCPUE標準化の手法を応用して効果範囲を定量評価した.メダイ資源密度は,魚礁海域では天然海域の約7.0倍であり,効果範囲は魚礁中心から約350 mと推定された.ヒラマサの効果範囲は約100 m,イサキでは魚礁の近接海域に限定されると推定された.

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© 2020 一般社団法人 水産海洋学会
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