2024 年 88 巻 2 号 p. 52-62
神奈川県城ヶ島周辺海域では,磯焼けの原因生物と考えられるアイゴが刺網で漁獲されている.本研究では,この刺網1人1日あたりの漁獲尾数(以下,CPUE)と海洋環境要因の関係を解析した.水温が高いほどCPUEは高く,高水温期にアイゴが活動的になり罹網しやすいと考えられた.ただし,6–7月の繁殖期ではアイゴの行動変化により水温が20°Cを超えるとCPUEが低下し,月齢が14.4日の時にCPUEが高くなると考えられた.また,CPUEが最大となるクロロフィル蛍光量が認められ,クロロフィル蛍光量が低いと網を警戒し,逆に高いと視覚を遮られアイゴの活動が低下したと推察された.さらに,塩分が低下するとアイゴの活動が低下してCPUEが低下する可能性が示唆された.アイゴの効率的な漁獲のためには,水温以外の海洋環境についてもモニタリングし,繁殖期間中の満月前後で漁獲に好適な海洋環境の時に操業することが有効と考えられた.