魚病研究
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短報
粘液胞子虫性やせ病原因虫の検出に用いるLAMP法の開発
堅田 昌英奥山 芳生
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2017 年 52 巻 2 号 p. 104-107

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抄録

 本研究では,粘液胞子虫性やせ病原因虫Enteromyxum leeiおよびSphaerospora fuguを検出するためのLAMP法を開発した。LAMP法のプライマーは,small subunit ribosomal RNA遺伝子領域を標的として設計した。LAMP法の最適な反応時間および反応温度を検討した結果,各原因虫ともに62°Cで60分間の反応を行うことで検出できることが示された。また,他の粘液胞子虫から抽出したDNAとの交差反応は見られず,反応特異性が認められた。さらに,当該LAMP法は,同じ遺伝子を標的としたPCR法よりも100~1,000倍の検出感度を示した。本研究で開発したE. leeiおよびS. fuguのLAMP法による検出系は,本疾病の検出・診断法として実用可能である。

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© 2017 日本魚病学会
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