魚病研究
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養殖ハマチの類結節症に対するアンピシリンの水産薬としての応用に関する研究―III
ハマチ類結節症の人為感染魚ならびに自然感染魚に対す治療効果
楠田 理一井上 喜久治
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1977 年 12 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

 ハマチ類結節症の人為感染魚ならびに自然感染魚に対して,アンピシリンを経口投与して治療効果をしらべ,次の結果を得た。1.平均体重50gのハマチ稚魚に,類結節症原因菌を筋肉内接種して,人為感染魚をつくり,菌接種4時間後にアンピシリンを0.1,1,10および100mcg/g・b.w.量経口投与したところ,斃死率はそれぞれ70,40,30および0%であった。2.人為感染魚に対するアンピシリンのED50は0.46mcg/g・b.w.であり,クロラムフェニコールの約46倍の治療効果を示した。3.香川県直島のハマチ養殖場で発生した類結節症の感染魚群2区に,それぞれアンピシリンを12mcg/kg・b.w.で5日間連続投与したところ,著しい斃死魚の減少がみられた。

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© 日本魚病学会
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