魚病研究
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日本産魚類のウイルス病に関する研究―VIII.
IHNV感染によりRTG-2細胞が産生するインターフェロン
佐野 徳夫長倉 義智
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1982 年 17 巻 3 号 p. 179-185

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抄録

 RTG-2細胞において, IHNウイルスは魚類ウイルス抑制因子を誘発した。この因子は以下の生物学的および物理化学的性状を示し,インターフェロンであることがわかった。1) 56℃,30分間加熱処理に対して安定である。2) 4℃,24時間, pH2処理に対して安定である。3) 4℃,100,000×g, 2時間遠心処理で沈降しない。4)非透析性である。5)トリプシンにより不活化する。6)抗ウイルス作用において細胞種特異性をもつ。7)幅広い抗ウイルス・スペクトルをもつ。8)ウイルスを直接不活化しない。ここで得られたインターフェロンを用いてインターフェロン力価の測定法を検討した結果,dye uptake法はプラック減少法の2.1倍,培養管を用いたCPE阻止法の2.6倍の感度を示し,これらの方法の中では,dye uptake法が最も高いインターフェロン力価測定感度を示した。

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