魚病研究
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チョウモドキとチョウの吻管および刺針の走査電顕による観察
志村 茂
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1983 年 18 巻 3 号 p. 151-156

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抄録
 寄生性甲殻類,チョウモドキとチョウの口器の吻管と刺針の形態を走査電顕で調べた。吻は管状であり,末端部に口が開き,上唇と下唇に囲まれている。上唇が平滑であるのに対し,下唇は雛状で多数の櫛状突起を備える。口縁に7対前後のbuccal foldがあり,口の周辺には感覚器と思われる突起が数対認められた。口腔内に大顎があり,その内縁は櫛状であり,外縁に2尖頭の突起を備える。口腔内の開口部近くに円錐状に突出した腺の開口が観察された。刺針の先端は小球状で開口していない。しかし先端近くの腹側に腺の開口部が,同背側に感覚器(?)の小孔が認められた。チョウモドキの成体と幼体との相違がbuccal foldと吻管上の1対の棘の形態に認められた。口器の形態に,チョウモドキ・チョウ両種間の相違はほとんどみられなかった。
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© 日本魚病学会
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