抄録
Vibrio anguillaum 菌株 LS-174 をニジマスに腹腔内注射ないしは菌浴法で感染させた。3尾ずつ3時間おきに48時間サンプリングし, 組織切片を蛍光抗体(直接法)で染色し, 感染の進行状況と接種菌の運命を調べた。接種法による差は認められず, いずれの場合も菌はまず脾臓に現れ, そこで増え始めると, つづいて腎臓でも増え始めた。殆どの組織に菌が広がり敗血症になると死に至った。諸臓器組織に広範な壊死おとび菌体外抗原の存在が認められた。しかし, マクロファージによる食菌像は観察されなかった。