抄録
本虫は6殻片6極嚢と7殻片7極嚢の同大の2型の胞子を脳組織内の偽シスト内と脳組織外のシスト内に形成する。両者の出現比は一定しない。これらの点で Septemcapsula yasunagi SHIEH et CHEN, 1984に一致しない。粘液胞子虫類各種の殻片の数は一定で, 多殻目の科の分類基準とされるが, 本種はこの原則に合致せず, 2型の一つは異常細胞分裂産物かもしれず, また本種は多殻目類の進化系統延長線上にあるが形質不安定なのかもしれない。本種の分類上の位置決定にはそれらの問題解決が先決である。