抄録
供試した自然感染サケ科魚幼魚ならびに親魚粘液から伝染性造血器懐死症ウイルス(IHNV)が検出された。ウイルス濃度は10 1.5~10 6.0 PFU/mιの範囲にあった。浸漬法でIHNVに人口感染せしめたニジマスOncorhynchus mykiss幼魚の, ウイルス接触24時間後の粘液中には100%, 鰓組織中では60%にウイルスが検出された。感染後24時間から84時間には個々のニジマスの粘液中のIHNV濃度は10 1.5から10 3.9PFU/mιに増加した。以上の結果は, 病状の進行によりIHNVが粘液から検出されるようになること, そして皮膚は多分ウイルス増殖の場であり, ウイルス侵入門戸でもあることを示唆している