魚病研究
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ニジマスの皮膚炎「ラッシュ」
Jose Roberto Kfoury岡本 信明田中 真吉水 守Scott E. LaPatra舞田 正志
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1996 年 31 巻 4 号 p. 197-201

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抄録

 本病は, 亜慢性, 非致死性の炎症性皮膚炎で, 約5年前からニジマス主産地で見られるようになった。本病は, 幼魚から成魚にまで見られているが, 最も発病率の高いのは120g前後の市場サイズの魚である。出荷時の被害率が48%に及んだことがある。本病の病因は未だ不明である。本病は自然治癒する。罹病魚は腹部や体側に, 発赤や潰瘍, 広範囲にわたる点状出血を呈する。病理組織では, 亜慢性の非化膿性皮膚炎像を示し, 広範囲にわたる単核性細胞の炎症性浸潤を特徴とする。本病を「ラッシュ」と仮称する。

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© 日本魚病学会
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