魚病研究
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トコブシに大量死を起こす Vibrio carchariae
西森 栄太長谷川 理沼田 武若林 久嗣
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1998 年 33 巻 5 号 p. 495-502

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抄録

 1997年6~10月にかけて神奈川県下で生産中のトコブシ稚貝に, 腹足表面の白斑を特徴とする継続的な斃死が発生した。罹病貝の組織的片観察により白斑を呈した足部筋繊維に壊死的変性が認められ, その組織液から単極毛を持ち運動性を示すグラム陰性通性嫌気性桿菌が分離された。分離菌の表現型的性状および遺伝学的性状を調べた結果, Vibrio carchariae に同定された。しかし, 分離菌と V. carchariae 標準株とは生化学的性状に多少の違いが認められた。感染実験により分離菌のトコブシに対する病原性が確認された。

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© 日本魚病学会
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