魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
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33 巻 , 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 飯田 貴次, 延東 真, 福留 己樹夫, 福田 穣
    1998 年 33 巻 5 号 p. 455-458
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1989年以来毎年6月下旬から7月上旬を中心に南九州地域で, 主に100g以下のブリおよびカンパチに顕著な外部症状や内臓の病変を示さず死亡する病気が発生している。病魚に共通して認められる症状は脳の発赤で, 病魚は髄膜脳炎を起こしていた。病魚から細菌分離を試みたところ1種類の細菌が分離され, 感染試験の結果ブリに対する病原性が確認された。実験感染魚でも脳炎が確認され, 分離菌が本病の原因菌と推定された。分離菌はグラム陰性の運動性短桿菌で, ビブリオまたはそれに近縁と考えられる。
  • Varin Tanasomwang, 中井 敏博, 西村 友理子, 室賀 清邦
    1998 年 33 巻 5 号 p. 459-466
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     タイのウシエビ幼生, アルテミアおよび飼育水からスウォーミング細菌の発育を阻止する細菌45株を分離した。同様の材料から得られた50株の Vibrio 属細菌に対する発育阻止能を二重平板法を用いて調べたところ, 45株中27株が強い阻止能を示し, それらはまた魚介類病原細菌を含む多くの Vibrio 属細菌の参考株に対しても抗菌作用を示した。生科学的性状および DNA の GC %から, これらの27株はいずれも Alteromonas 属類似細菌と考えられた。
  • Ki Hong Kim, Soo-I Park, Bo-Young Jee
    1998 年 33 巻 5 号 p. 467-471
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/06/17
    ジャーナル フリー
     養殖クロソイの鰓に寄生するミクロコチレに対して駆虫剤の経口投与による効果を10℃と20℃で検討した。プラジカンテルを10℃と20℃で魚体重1kg当たり200mg, メベンダゾールを20℃で200mg投与した場合の駆虫率は100%であった。一方, 両剤の100mg投与区, および10℃におけるメベンダゾール200mg投与区では, 無投与区より有意に虫体数は減少したが, 完全駆虫はできなかった。これらの結果から, 経口投与によりミクロコチレを駆虫できる可能性が示唆された。
  • 浜口 昌巳, 鈴木 伸洋, 薄 浩則, 石岡 宏子
    1998 年 33 巻 5 号 p. 473-480
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     熊本, 広島両県内の漁場および天然生息域のアサリを採取して組織検査, チオグリコレート培地による培養検査および遺伝子解析におる寄生虫学的検討を行った。両県のアサリ軟体部の結合組織に Perkinsus 様原虫構造体が確認され, 培養法によっても本属原虫が検出された。一方, 分離した原虫の 5.8 Sr RNA を含む領域で遺伝子解析を行ったところ, Perkinsus atlanticus または P. olseni の配列と一致し, 国内アサリで初めて Perkinsus 原虫の感染症が確認された。遺伝子解析の結果をもとに, 本感染症の診断に有効な PCR 系について検討した。
  • 塗 小林, 川合 研児
    1998 年 33 巻 5 号 p. 481-487
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     Edwardsiella tarda EF-1 株から界面活性剤 SDS と Sarkosyl で主要外膜タンパク質(MOMP)を抽出したところ, いずれも SDS-PAGE で37, 40および43 kDa の MOMPが認められた。これらのうち 37 kDa の MOMP は, 供試した日本の各種魚由来の15株の E. tarda に認められ, 抗原性も共通であった。しかし, 台湾株では多少小さい分子量を示した。対照菌の Aeromonas, Escherichia, Photobacterium, Pseudomonas, Vibrio 属の7種10株ではこの MOMP が認められないことから, 37 kDa 付近に泳動されるこの MOMP は E. tarda の株に共通かつ特異的と考えられる。
  • Yasoja S. Liyanage, 横山 博, 的山 央人, 細谷 久信, 若林 久嗣
    1998 年 33 巻 5 号 p. 489-494
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     粘液胞子虫 Thelohanellus hovorkai によるコイの出血性テロハネルス症の発病条件について調べた。養魚池で採集されたエラミミズと同居飼育することでニシキゴイとマゴイに同程度に病徴がみられ, 筋肉1g当たりの胞子数は5×104個に達した。一方, ミミズ槽からの排水で飼育した群は軽度に感染したものの発病はしなかった。同居飼育群では腸管と腹部皮下結合織, 排水飼育群では鰓に最も多く寄生した。以上より放線胞子虫寄生エラミミズを経口摂取することで発病に到ることが示唆された。
  • 西森 栄太, 長谷川 理, 沼田 武, 若林 久嗣
    1998 年 33 巻 5 号 p. 495-502
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1997年6~10月にかけて神奈川県下で生産中のトコブシ稚貝に, 腹足表面の白斑を特徴とする継続的な斃死が発生した。罹病貝の組織的片観察により白斑を呈した足部筋繊維に壊死的変性が認められ, その組織液から単極毛を持ち運動性を示すグラム陰性通性嫌気性桿菌が分離された。分離菌の表現型的性状および遺伝学的性状を調べた結果, Vibrio carchariae に同定された。しかし, 分離菌と V. carchariae 標準株とは生化学的性状に多少の違いが認められた。感染実験により分離菌のトコブシに対する病原性が確認された。
  • 虫明 敬一, 有元 操, 佐藤 純, 森 広一郎
    1998 年 33 巻 5 号 p. 503-509
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     1996年7月から1998年4月にかけて, 5つの海域で漁獲された天然クルマエビ成体から PCR 法により PRDV (penaeid rod-shaped DNA virus: クルマエビ類の急性ウイルス血症原因ウイルス)の検出を定期的に行った。検査部位は雌雄とも血リンパ, 胃上皮および生殖腺とした。その結果, 雌エビにおいては卵巣, 雄エビにおいては胃上皮で, それぞれ最も高い検出率を示した。また, PRDV の検出率は夏期(7月から8月)に高く, 冬期(12月から1月)に低かった。さらに, 雄親エビよりも雌の方が高い検出率を示した。
  • 森友 忠昭, 椎橋 孝, 栗原 宣弘, Takanori Suzuki, 野上 貞雄, 朝比奈 潔
    1998 年 33 巻 5 号 p. 511-512
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2009/10/26
    ジャーナル フリー
     哺乳類の長期骨髄培養において, ハイドロコーチゾンは顆粒球造血に促進的に働くことが知られている。そこで, 本研究では従来Bリンパ球造血しか観察されなかったコイ造血細胞の培養にハイドロコーチゾンを10-7M加えた。ハイドロコーチゾン存在下においても支持細胞層の形成および造血細胞の活発な増殖が認められ, 非付着細胞分画中には異なった分化段階の顆粒球系細胞が観察された。これら顆粒球造血は1ケ月間維持されたが, Bリンパ球の増殖は認められなかった。
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